モバイルファーストのブロックチェーン、Pi Networkは、そのプラットフォーム上で構築されたプロジェクトへの投資を目的とした1億ドルの基金を発表しました。 5月14日の発表で、Pi Foundationは「Pi Network Ventures」の立ち上げを明らかにし、最初の資金としてPi（PI）トークンと米ドルを合わせて1億ドルの割当てを行いました。この基金は、Pi Network上で開発を進めるスタートアップや企業、またはより広範なエコシステムに貢献する事業を支援します。 「この戦略的プログラムは、さまざまな分野の高品質なスタートアップや企業への投資を意図しており、イノベーションとエコシステムの成長を促進します」と、Pi NetworkはX（旧Twitter）上の投稿で述べています。 Pi Networkの背後にあるPi Foundationは、「所有者のいない」組織と位置付けられ、長期的なエコシステムの成長を促すことに焦点を当てています。ファウンデーションは、新たなベンチャーファンドはエコシステム推進のために割り当てられているPiトークンの10%の一部を活用すると述べています。 公開時点で、Pi NetworkはCointelegraphからのコメント依頼に回答していません。 関連：Pi Networkは死んだのか？話題の裏にあった本当の失敗理由 Pi Network Venturesとは何か？ Pi Network Venturesは、Piのユーティリティを向上させることを目的としており、トークンを製品やサービスに取り入れるスタートアップや企業への投資を行います。この取り組みは、ネットワーク内のアプリ、取引、企業の数を増やし、新たなユースケースを模索する狙いがあります。 「インセンティブを調整し、有望な創業者やスタートアップ、企業に資源を提供することで、イノベーションと採用のフィードバックループを生み出すことを目指します」と述べています。 関連：Pi Networkの価格は過去最高値に近づく中で、供給圧力の高まりにより下降傾向 Pi Network Venturesの戦略 発表によると、Pi Network Venturesは、アーリーステージからシリーズBラウンド以降までのスタートアップを支援する計画です。このアプローチは、有望な革新者にアクセスしつつ、より確立された企業の拡大も支援することを目的としています。 この基金は、他の暗号エコシステムプログラムとの差別化を図るため、焦点と方法論に重点を置いています。暗号関連のプロジェクトだけに投資を限定せず、生成AIやAIアプリケーション、フィンテック、埋め込み型決済、eコマースプラットフォーム、市場、ソーシャルネットワーク、消費者および企業向けの実世界アプリケーションなど、より広範なテクノロジー分野を支援する計画です。 もう一つの特徴は、伝統的なシリコンバレーのベンチャーキャピタル企業と似た運営を目指しており、特にソーシング、選定、評価プロセスにおいて模範となることです。「高いインパクトと破壊的なスタートアップや企業を見つけ、支援すること」を目標としています。 この発表は、ピネットワークが運営するピラミッドスキームの疑い、透明性への懸念、白書の内容が乏しい点など、批評の声が続く中で行われました。投資資金の出所や運営の透明性についても疑問視されています。 また、参加者を招待して報酬を与えるユーザー紹介モデルは、多層階層型マーケティング（マルチレベルマーケティング）と比較されることもあります。 さらに、ピネットワークのネイティブトークンであるPIは、2024年2月のメインネットローンチ以降、値動きが激しくなっており、既に過去最高値から約65%以上下落し、現在も最高値から約25%下回っています。